1999年世界遺産に登録された、栃木県日光市の「日光の社寺」に訪れました。
今回は最もメジャーな二社一寺を巡るコースで訪れ、歩きでも3時間半~4時間ほどあれば全てのスポットを観光可能なのでおすすめです。
世界遺産というだけあり荘厳な雰囲気と美しい景観は必見で、絢爛豪華な建造物やその歴史背景に思わずうっとりするはず。
世界遺産「日光の社寺」とは
「日光の社寺」は、1999年12月、ユネスコ世界遺産委員会で文化遺産として登録された世界遺産。
二社一寺(二荒山神社、東照宮、輪王寺)及び、これらの建造物群をとりまく遺跡や自然が一体となり、 遺跡として文化的景観が形成されていると認められました。
日光といえば東照宮がまず思い浮かぶと思いますが、複数の構成資産から成り立っている世界遺産となっています。
世界遺産名 | 日光の社寺 |
構成資産 | 二荒山神社、東照宮、輪王寺、日光山内 |
区分 | 文化遺産 |
登録年 | 1999年 |
評価基準 | (ⅰ)(ⅳ)(ⅵ) |
ユネスコ資産ページ | https://whc.unesco.org/en/list/913 |
世界遺産「日光の社寺」の見どころと魅力
世界遺産「日光の社寺」の見どころは、なんといっても二社一寺(にしゃいちじ)である以下の3スポット。
それぞれの魅力とともにお伝えしていきます。
日光東照宮
日光東照宮は、1617年に建てられた、徳川初代将軍「徳川家康」が祀られている神社。日光の社寺の中では最も有名なスポットです。
「権現造(ごんげんづくり)」と呼ばれる神社建築様式で建てられているのが最大の特徴。
五重塔
日光東照宮の門をくぐると、左に重要文化財に指定されている五重塔が見えてきます。
五重塔の高さは36メートルあり、その名の通り五つの屋根が重なっている建物。大きくてその存在感にびっくりするはず。
東照宮の構内
日光東照宮の中に入ると、その壮大さと建物の作りの繊細さに目を奪われてしまいました。
本殿と拝殿を板敷の石間でつなぎ、一連の建物とされた「権現造」の特徴がよく取れて見れます。
写真を見ていただければわかりますが、かなり壮大で時間とお金をかけて作られた事がわかります。
陽明門
日本で最も美しい門と言われる陽明門。国宝にも指定されており、デザインや造りが繊細でずっと見とれてしまっていました。
三猿
社殿には多くの動物が飾られているのも特徴の一つで、「三猿、眠り猫、想像の象」などが有名。
こちらの三猿は、海外でも”Three wise monkeys”として知られ、「見ざる、聞かざる、言わざる」という叡智の3つの秘密を示しているとされています。
三猿以外にも合計16匹の猿が彫られており、人間の一生が表されています。
想像の象
想像の象は、江戸幕府の御用絵師であった狩野探幽が、本物の象を知らず、象の話を聞いただけで想像して下絵を描いたとされている。
イメージした象を表現したということで「想像の象」と呼ばれています。
実際の彫刻を見てもらえばわかりますが、実物の象とは特徴が大きく異なり、龍などの架空の生物みたいですね。
眠り猫
日光東照宮の中でも参拝客に愛されており、人気度の高い「眠り猫」。寝ている猫の姿が可愛らしいですが、国宝の指定を受けているほどの重要な彫刻です。
警戒心の強い猫ですが、「そんな猫ですら安心して眠りにつける世の中を目指す」という意味を込めて作られたんだとか。
眠り猫の裏側にはスズメが配置されており、
- スズメがいてものんびりと眠っている猫
- 天敵である猫が眠っていればスズメは安心できる
という深い意味としても平和を表しているらしい。
いろいろな想いを込めて作られていることがよくわかりますね。
徳川家康公のお墓
眠り猫をこえて坂下門をくぐると長い階段があり、登っていくと奥宮(徳川家康公の霊廟)に到着します。
結構階段がきついので、終始息切れをしていました。訪問の際は履きなれたスニーカーで訪れることをおすすめします。
奥宮につくとかなり壮大な門があり、この奥にあるのが徳川家康公のお墓ですね。
こちらが徳川家康公のお墓です。江戸当時のままその姿をとどめており、江戸城を見守るようにお墓は東京を向いています。
江戸城の鬼門も守るという意味合いで日光に霊廟を建てたこともあり、いろんな事を考えて造ったんだなとしみじみ物思いにふけります。
鳴龍
こちらは東照宮の中にある薬師堂。天井に「鳴龍」と称される龍画が描かれています。(中は撮影が禁止なので写真はこれのみ)
薬師堂の龍の絵は、龍の下で拍子を打つと「カーン」という音が共鳴し、龍の鳴き声に聞こえるため鳴龍と呼ばれているのだとか。
拍子を鳴らす場所が龍の顔の下から離れてしまうと音が共鳴せず、全く鳴かないのも印象的でした。
日光東照宮を見て回ったら、参道を通って二荒山神社に向かいます。(距離は300mほど)
こちらから向かった場合は二荒山神社大鳥居前に着きます。
日光二荒山神社
日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)は、1200年以上前、勝道上人が開いた日光山にある日光山信仰の始まりとなった古社。
二荒山(男体山)をご神体としてまつり、現在では縁結びのご利益があるパワースポットとしてかなり人気の社です。
「縁結びの御神木」や「夫婦杉」など、縁結びに関する物がたくさんありました。
二荒山神社は、どちらかというと建物のすばらしさというよりは、自然の素晴らしさを堪能できるスポットですね。
こっちが一応正面の入り口らしい。二荒山神社入口の楼門へと続く道です。
日光山 輪王寺
日光山輪王寺(りんのうじ)はお堂や塔など15の支院全体の総称で、勝道上人が四本龍寺を建てたのが始まりといわれています。
日光三山の本地仏をまつるお堂「三仏堂」は日光山最大の規模を誇る木造建造物で、「千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音」三体の本尊がまつられている。
こちらは相輪塔というもので、天台宗特有の仏塔であり、中に経典をおさめることで邪気を祓ってくれると言われています。
相輪塔は日本にたった3つしか存在しないらしく、かなり貴重みたい。ここもパワースポットなので、手を合わるなどしたらご利益がありそうですね。
世界遺産「日光の社寺」のアクセス情報
電車
「JR日光駅、東武日光駅」どちらかの駅まで行き、日光の社寺まで徒歩。(2.5km、30分程度)
自家用車(駐車場あり)
日光ICで下りて残り2km。
付近には県営や市営の駐車場がたくさんあるので、駐車場の心配は不要。(1日一律600円)
感想
日光の社寺はどこを見ても豪華絢爛。まわりの自然との調和も感じられ、一生に一度は見ておきたい世界遺産だと思います。
今回は世界遺産検定を取得したことで日光の社寺に興味が出て訪問したのですが、想像以上の造りに惚れ惚れし、大満足の観光となりました。
事前に日光の社寺について学習していたこともあってか、見どころや魅力、歴史的背景を織り交ぜて観光ができたので、とても楽しかったです。
世界にはまだまだいったことない場所があるし、素敵な観光スポットがあると思うので、今後も世界遺産を軸にいろいろな場所へ訪れていきたいですね。